次のステップへ2024/04/17

母は入院中発熱等はしたものの順調に回復し、退院の目処が立ってきました。
しかし、もう一人暮らしはできないなと母自身が決心してくれ、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入ることになりました。

と、文章で書けば数行で終わる話ですが、実は行間にいっぱいの右往左往があったのです。
母と離れて暮らしている姉兄私、3人が揃って話し合うわけにはいきません。
そこで大活躍してくれたのがグループLINEでした。今までこんなにラインのやり取りしたことないぞってくらい、よく話しましたね~。時にはLINE電話で。便利でありがたい世の中になりました。

初めて施設(施設の種類もこんなにあるんだと今回改めて知りました)を、あちこち見学して回り、ソーシャルワーカーさん、ケアマネさん、友達、私たちの家族、みなさんが親身に相談にのって対処してくださり、今に至ります。
本当に感謝しかありません。

それぞれに家庭の事情、身体の事情、仕事や諸々抱えた中でしたが、
『母に穏やかな余生を送らせてあげたい』 そこ一点にみんなの気持ちが集まった1ヶ月でした。

もう一度命をもらった95歳の母は、これから新しい生活を始めようとしています。
外出外泊が可能なので自宅にも帰れます。
また毎月母の所に通って一日いちにちを大切に、一緒に過ごしていきたいと思います。  全ての事に感謝して。






救急搬送2024/03/26

赤色灯とサイレンと母の苦しそうな顔。
祈るような気持ちで母の手を握り、真夜中の救急車に母に付き添って乗っていました。

その日夕方実家に行くと、母が何となく元気がないように感じ、食欲もあまりないので早めにベッドに連れて行って休ませました。
しばらくして部屋を覗くと寝息がしたので、ホッとしてお風呂に入り私もお布団に入ろうとしました。
が、何となく気になってもう一度部屋を覗きに行くと、か細い声で
「しんどい、、、   しんどい、、、」
これはただ事ではないと気づき、119番。

病院で検査をした結果、うっ血性心不全・心筋梗塞との事。
このまま放置すれば命は落とします。
カテーテルを入れますか?
年齢的なこともあり、リスクは色々とあります。 
でも、とにかく時間がありません。 等々。

95歳の母にそれだけの事に持ちこたえる体力があるのか。
処置の途中で事切れるかもしれない。
この歳で痛い思いをさせたくない。
だけど、生きれるなら生かしてあげたい。1%でも可能性があるのなら。
でも、姉兄に相談する時間もない。

いろんな思いがよぎる中、人の命の選択を即決しなければいけない究極の場面で、責任と重圧に押し潰されそうになりながら、夫にも背中を押され、先生にお願いする事にしました。

真夜中の静かな病院の廊下。
ドアが開く音がする度、夫とハッと顔を上げ、待つこと2時間半。

心臓にステント3本入れる処置に、母は見事に耐え頑張ってくれました!
すごいすごい!
救ってくださった先生方に深く深く頭を下げ、頭を上げると
長かった夜が明け外はうっすらと白んでいました。

集中治療室に移った翌日。
面会に行き、母に事の経過を話すと、
「じゃあ、もう少し生きれるかな」
「生きれるよー!100歳まで生きれるよ。
言われた通りリハビリして家に帰ろな。ここで家に帰る準備をしてるんやで」
と言うと、泣いて両手を合わせる母。
容体が急変する可能性もあり気を許せないのですが、
あの判断は間違ってなかったんやな、と 心から安堵したのでした。
絶対帰ろうね。

実家に戻ると、あの日母がデイサービスでもらってきたお花が、リビングのテーブルの上に飾ってありました。
「アミガサユリって言うんやで。可愛いやろ」
と言っていましたが、あまり眺める間もなく入院してしまった母。
お花も母の帰りを待ってるよ。



アミガサユリ
                   母を待つアミガサユリ



フクロウさん2024/01/10

母がまた楽しいものを作っていました。
フクロウの家族で、これは父母、姉、兄、私の5人家族だそうです。
確かにそう言われればそう見えるなあ。笑
家族5人で暮らしてた時のこと、私たち子どもが小さかった時のこと、そんなことを思い出しながら作ったのでしょうか。

母は時々、テレビの上の壁に吊るしたフクロウさんをじ~っと見つめています。

フクロウさん



そんな母は95歳の誕生日を無事に迎えました。
母にどうぞ安寧な日々を。




干し柿2023/11/30

「じっと座ってるだけやし、柿の皮くらいなんぼでも剥けるで」 と 母。
実際、この秋 頼まれて100個近く剝いたというから驚きます。
手先は昔から器用で何でもできる人でしたが、根気まであったのですね~。

「いいよいいよ」(それに私は干し柿あんまり好きじゃないし) と 遠慮するも、大丈夫大丈夫と 母はやる気満々。
干し柿大好き夫は、横で2人のやり取りを嬉しそうな顔をして聞いてたかと思うと、あっという間に柿を10個買ってきました。

そして早速、母のこのムキムキ作業が始まりました。
料理は、もう何年も作ってくれなくなったけど、こうして包丁を握る母を見てると
昔に戻ったようで、何だか嬉しくなってしまいました。
私は、母が剥いた柿をひもにぶら下げる役目。

干し柿を作ってくれてる母
                    ムキムキ ムキムキ

こうしてできた干し柿をうちに持ち帰り、軒下にぶら下げました。
あんまり好きじゃないけど母の作った干し柿だもん、今年は特別。
出来上がったら食べるね~。

ありがとね。

母の干し柿
                  母が作ってくれた干し柿


ドキドキ2023/10/24

夜中に胸が苦しくなり吐き気もして眠れなくて、、、 と 聞いて、
驚いて母の所にとんで行ったのですが、その時は落ち着いていて、いつも通りの母がそこにいて、ほっとして体の力が抜けました。

「なんやったんやろなぁ」
と 他人ごとのようにのんびり話す母は、それでも睡眠時間が足りなかったのでしょう。いつもよりたくさんお昼寝をしていました。

今回は幸い大事に至らず良かったのですが、心臓も弱ってきてるので、これからこういう事も増えてくるのかもしれません。
でも、できるだけ苦しむことがないよう一日でも長く安寧な日々をと祈るばかり。

「心臓さん心臓さん、もう少し頑張ってくださいな」 と、母の心臓さんに、おまじないのナデナデをして、後ろ髪を引かれながら帰路につきました。

年が明けたら、母は95歳になります。



母の作品
               デイサービスで作った母の布作品




月見草が見たいなあ2023/10/01

と、母に言われ、車椅子を積んでドライブに出かけました。 とは言え、どこに行ったら月見草が咲いてるの、、、?

花好きの母は、その季節季節で咲くお花をとても楽しみにしてるので、実家を訪ねる時はまずはお花。お花で部屋中をいっぱいにしてあげるんです。それは決して高価な花ではなく、野の花でも何でも。珍しいお花を見ると、母に見せてあげたいなあ~と、ついつい思ってしまうようになりました。

さて、月見草です。
海の方?山の方?車の中でああだこうだと話しながら、村の人の姿も見えない海の近くまでやってきました。まあとにかく車を停めよう、と 降りた時です。

目の前の草むらに黄色いものが。
月見草です!それもひとつやふたつじゃなく、いっぱい!!
何かに導かれるようにやって来たのでしょうか。
ビックリしながらも、摘んでは車椅子に座る母の手に。 母は満面の笑顔です。
これが見られるから嬉しいんですよね。来て良かったね~。



月見草を手に列車に手を振る母
          月見草を手に列車に手を振る母。 まるで子どもです。



母とハスとカエルさんと2023/07/03

94歳の母は、
頑張ってゆっくりゆっくりシルバーカーを押して歩いていたのですが、
ここ最近は心臓も弱り、歩ける距離も限られてきたので、
子どもたちで母に車椅子をプレゼントしました。

すると母は大喜び。
こんなに喜ぶのなら、もっと早くあげれば良かったなあ。
と 思う一方で、歩かなくなると筋力がますます弱る懸念もあるのですが、、、
ま、いっかー。

という事で、母は「車椅子お散歩」をとても楽しみにしています。
じゃあ、行こうかね。 梅雨の晴れ間の今がチャンス!

ちょっと車を走らせてハスの花を見に行ったり、
ハス園


商店街の植木鉢にアマガエルさんを見つけたり、
カエルさん


ヤマモモが木から落ちてるのを見つけて拾ったり。
ヤマモモ


遠出はできなくなったけど、母とこうして過ごせるだけで幸せな時間です。
こんな安寧な日々が、一日でも長く続きますように。



尻もち2023/03/10

つくしが出始めると、母が摘みに行きたそうにするこの季節。

母が安全に摘める場所を見つけてきて、車に乗せて連れていきました。

今年も摘めたね

しゃがんでゆっくり摘み始めたのですが、

アッという間もなく、母はコロ~ンと尻もちをついてしまいました。

そして、自分では起き上がれないのですね。

両脇を抱きかかえて起こしたのですが、

これが傾斜地だったら、そのまま転んでいってしまったでしょうね。

こんな所で転ぶか?っていうのが

体のバランスがうまく取れない高齢者なのです。

もっと注意を払うべきでした。


幸い、服が少し汚れたくらいでケガはなくてホッとしましたが、

今度は車に戻る時に息が上がって、

しばらく呼吸を整えるのにじっとしゃがむ場面も。

数メートルの距離でも、心臓はだいぶん弱ってきているようです。

かと言って、家でじ~っと過ごすより

お天気の良い日は外の空気も吸わせてあげたいしなあ。

悩ましいですが、それでも短時間でもつくしが摘めたことを喜ぶ母を見て、

これで良かったのかなと思ったり。



夜はつくしの佃煮を作ってあげたら、美味しそうに食べてくれました。

来年も、行こうね。

つくしの佃煮




長寿の館2023/02/17

実家には、

十数年、根っこが土の上に出てきてるのに土も替えない、

栄養もあげない、思い出したように水をあげるだけの

ヒドイ扱いをしてるにも関わらず、

何度も可愛い花を咲かせる観葉植物のカポックがあります。

母がお世話できるわけないので私の仕事なんですが、

いつか新しい鉢にも入れ替えて、ちゃんとしてあげようと思いつつも、

限られた時間内にやらねばならない他の家事雑用に追われ、

後回し後回しになっているのです。


今回は、花が咲いた後の蜜にまみれてベタベタの葉っぱや花の後始末、

蜜と枯れた花が落ちて汚した周辺の掃除をせっせとやっていました。


そしてふと見ると、

枯れたような木から、新芽が出てるではないですか!

どこまでも強い生命力をもったこのカポックに驚くばかりです。

きっと母の長寿のパワーをいっぱい浴びているに違いありません。

そう母に伝えると、椅子に腰かけたまま

「そうやなあ~」(これ口癖)と、ニコニコと 笑っているのでした。



長寿の館だもの


自信なくしちゃったかなぁ2022/09/30

先日の朝、ベッドから立ち上がる時によろけて机に頭をぶつけ、

6針縫うケガをしてしまった母。

その抜糸の日に、今度は家の中の段差で転んで腰を強打。

まわりでアタフタしてると、今度は発熱。

ここにきて、まさか、コロナ!?

と ビックリしましたが、検査は陰性で(ほっ)、熱も一日で引いていきました。

何だったんだろう??



あまりに立て続けにケガをするものだから、

母はすっかり シュン太郎 になってしまいました。

自分に自信をなくしてしまったのかなぁ。

歳を考えれば十分ありうることだけど、それでもショックだったんだろうな。


幸い、ケガも日にち薬で治りつつあり、ありがたいこと。

母を元気づけに、お芋さんを持って行ってこようかな。 




元気を出してね