一歩2023/06/22

庭に出て、キツイ雨に叩かれ傾いたヒマワリを支柱で支えていたら、
雨の中、うちの前をひとりで歩いていく制服を着た男子中学生が目に入りました。
あれ、こんな時間に? とっくに授業も始まってるよ?

どうも足取りが重いね。なかなか一歩が出ない様子。
ただの遅刻じゃなさそうやねぇ。
学校が近づくにつれ、
彼の足は重りをつけてるかのように、ますますゆっくりゆっくりに。
時々、学校の方を見ては視線を道路に落とし、うつむきながら、また一歩。
彼のため息が聞こえてきそうでした。
「行きたくない」 って背中が言ってるよ。

無理しなくていいんやで。 そういう一歩もあるんやで。
その背中に、心の中でつぶやきました。




雨のアナベル