救急搬送2024/03/26

赤色灯とサイレンと母の苦しそうな顔。
祈るような気持ちで母の手を握り、真夜中の救急車に母に付き添って乗っていました。

その日夕方実家に行くと、母が何となく元気がないように感じ、食欲もあまりないので早めにベッドに連れて行って休ませました。
しばらくして部屋を覗くと寝息がしたので、ホッとしてお風呂に入り私もお布団に入ろうとしました。
が、何となく気になってもう一度部屋を覗きに行くと、か細い声で
「しんどい、、、   しんどい、、、」
これはただ事ではないと気づき、119番。

病院で検査をした結果、うっ血性心不全・心筋梗塞との事。
このまま放置すれば命は落とします。
カテーテルを入れますか?
年齢的なこともあり、リスクは色々とあります。 
でも、とにかく時間がありません。 等々。

95歳の母にそれだけの事に持ちこたえる体力があるのか。
処置の途中で事切れるかもしれない。
この歳で痛い思いをさせたくない。
だけど、生きれるなら生かしてあげたい。1%でも可能性があるのなら。
でも、姉兄に相談する時間もない。

いろんな思いがよぎる中、人の命の選択を即決しなければいけない究極の場面で、責任と重圧に押し潰されそうになりながら、夫にも背中を押され、先生にお願いする事にしました。

真夜中の静かな病院の廊下。
ドアが開く音がする度、夫とハッと顔を上げ、待つこと2時間半。

心臓にステント3本入れる処置に、母は見事に耐え頑張ってくれました!
すごいすごい!
救ってくださった先生方に深く深く頭を下げ、頭を上げると
長かった夜が明け外はうっすらと白んでいました。

集中治療室に移った翌日。
面会に行き、母に事の経過を話すと、
「じゃあ、もう少し生きれるかな」
「生きれるよー!100歳まで生きれるよ。
言われた通りリハビリして家に帰ろな。ここで家に帰る準備をしてるんやで」
と言うと、泣いて両手を合わせる母。
容体が急変する可能性もあり気を許せないのですが、
あの判断は間違ってなかったんやな、と 心から安堵したのでした。
絶対帰ろうね。

実家に戻ると、あの日母がデイサービスでもらってきたお花が、リビングのテーブルの上に飾ってありました。
「アミガサユリって言うんやで。可愛いやろ」
と言っていましたが、あまり眺める間もなく入院してしまった母。
お花も母の帰りを待ってるよ。



アミガサユリ
                   母を待つアミガサユリ



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